金属分含有の古紙からトイレットペーパー…進む古紙再生利用技術

リサイクルトレンドウォッチ(3)

金属分含有の古紙からトイレットペーパー…進む古紙再生利用技術

国内紙商社最大手の日本紙パルプ商事は、製紙原料として再生が難しいとされてきた「難リサイクル古紙」を使う家庭紙の大型工場を、2015年3月、静岡県に新設すると発表しました。新工場では、磁気シートが貼られた切符や樹脂フィルムが付けられた紙パックなどを主原料にトイレットペーパーなどを生産するといいます。
古紙業界では、粘着物のついた封筒、防水加工された紙、カーボン紙、圧着はがき、感熱紙、写真用印画紙、プラスチックフィルムやアルミ箔などを含む複合素材紙、金銀等の金属が箔押しされた紙などは、「禁忌品」と呼ばれ、再生の妨げになる異物としてあらかじめ回収古紙から取り除くことが求められていました。
国内製紙業界ではコスト削減のためにも大手各社がさまざまな古紙リサイクル技術の開発に注力していますが、消費者が手に触れる家庭紙の主原料として金属分の含まれた古紙を使うケースはほとんどなく、日本紙パルプ商事の取組みは、国内の製紙業界でも先駆的な取り組みとして注目されます。
紙・パルプ統計(日本貿易月表)によれば、日本の古紙回収率は2000年の57.0%から12年の79.9%へ、古紙利用率は同57.7%から63.7%へと、右肩上がりで推移。また古紙輸入量は2000年の278千トンから12年の28千トンへ減少する一方で、輸出量は同372千トンから4929千トンへ大幅に伸張。貴重なリサイクル資源の一角を占めており、古紙再生利用技術の開発は、今後も加速されるものと思われます。

中国発「鉄冷え」が世界へ波及?—-鋼材・鉄スクラップの市況が下落。

リサイクルトレンドウォッチ(2)

中国発「鉄冷え」が世界へ波及?—-鋼材・鉄スクラップの市況が下落。

電炉の製鋼原料となる鉄スクラップが内外で下落しています。関東地区の電炉買値は1トン3万1千~3万2千円と4ヵ月ぶり安値をつけ、直近の高値だった3月から9%下落。輸出向け入札価格(6月契約分)も前月比1736円安に。アジア市場でも指標となる米国品の韓国電炉の買値が1トン365~370ドル(運賃込み)と2年10ヵ月ぶりの安値をつけています。
いまや“国際商品”と化したスクラップ。その価格形成は、市場の需給関係のみならず、海外メーカーの購入量や生産動向にも強く影響されるなど、複雑化しています。
いま、鉄の市況を大きく揺さぶっているのが、世界の粗鋼生産量の半分近くを生み出す中国製鋼業の膨張です。2012年末時点で中国の粗鋼生産能力は9億トン超。うち2億トンが余剰とされ、その規模は世界鉄鋼需要の1割に相当します。中国国内で消費しきれない鋼材は世界へあふれ出し、価格下落の波を生み出します。
前述のアジアの鉄スクラップ安値も、中国の電炉等の増産によりアジアの鋼材価格が一段と下落した影響で、業績が落ち込んだ韓国の製鉄会社が買い付け意欲を後退させたことによるもの。
2000年代に中国各地で増設された製鉄所は現在800社。約350万人の雇用を支え、赤字でもおいそれと減産はできない状況。景気減速により国内で消費しきれない低価格の中国製鋼材が東南アジアや欧州へ向かい、世界にインパクトを与えています。日本では新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所が軒並み高炉の休止を決定。アルセロール・ミタル、タタ、ボスコなど世界大手も収益悪化に苦しんでおり、中国発「鉄冷え」が世界市場を覆う暗雲となることが懸念されます。

その場でお買い物ポイントを発行する資源自動回収装置が、消費者に人気!

リサイクルトレンドウォッチ(1)

その場でお買い物ポイントを発行する資源自動回収装置が、消費者に人気!

スーパーやホームセンターの店頭で資源回収に協力するとお買い物ポイントを発行する自動回収装置が各地に導入され始め、話題を呼んでいます。
先鞭をつけたセブン&アイホールディングスでは、大手小売業として初の“ペットボトルtoペットボトル”の循環型リサイクルシステムを昨年から導入。2012年3月末から2013年2月までの1年間で関東エリアのイトーヨーカドー、ヨークマート、ヨークベニマル200店舗余りに自動回収機を設置し、順次全国に導入を広げています。
店頭の自動回収装置にペットボトルを投入すると発行されるリサイクルポイントは、電子マネー「nanaco」のポイントに交換が可能。消費者はリサイクルに協力しながら、お買い物ポイントをGETできます。回収された容器はその場で選別・減容され、飲料メーカーと連動して国内でペットボトルに再生されます。
消費者—小売店—リサイクル事業者—飲料メーカーそれぞれにメリットをもたらす好循環のリサイクルシステム。こうした動きは、他の流通チェーンにも広がり始め、ペットボトルに加え古紙リサイクルの自動回収装置も登場しています。流通小売店が核となった地域のリサイクル推進、今後、大きな潮流となりそうです。

小型家電リサイクル法が、4月1日より施行されました

 使用済みの小型家電の回収・リサイクルを促進するための新たな法律、「小型家電リサイクル法」が、4月1日より施行されました。
 携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機などの小型家電には、金や銅などの有用金属や、レアメタル(希少金属)が含まれています。現在、日本全体で年間に廃棄される小型家電は推定約65.1万トン。その中に含まれている有用な金属などの量は約27.9万トン、金額にして約844億円分にも上るといわれます。
 「都市鉱山」とも称される、こうした埋もれた資源を有効に活用するための法律が「小型家電リサイクル法」。対象品目は、携帯電話、パソコン、電子レンジなど28分類、200品目以上にのぼります。自治体が窓口となってこれらの回収・再資源化を推進。回収の方法や体制は市町村ごとに定められます。政府は2015年までに回収率20%を目標として掲げています。
詳しい情報はこちら ☞
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/2.html