2018年に輸出入された「特定有害廃棄物」、日本からの輸出は半減

リサイクルトレンドウォッチ(77)
2018年に輸出入された「特定有害廃棄物」、日本からの輸出は半減
バーゼル法の施行状況(2018年実績)を、環境省・経産省が公表

5月28日、環境省と経済産業省は、処分またはリサイクルを目的とした電子部品スクラップなど有害廃棄物の輸出入を規制するバーゼル法で規定する特定有害廃棄物等の輸出入の状況について、2018年の実績をまとめ公表しました。
2018年1月~12月に、バーゼル法の規定する手続を経て、実際に日本から輸出された特定有害廃棄物等の件数は626件(2017年比約48.0%減)、総量は215,890トン(同比約13.3%減)。また、日本に輸入された特定有害廃棄物等の件数は858件(同比約7.7%増)、総量は27,910トン(同比約37.1%増)でした。(輸出入の件数・総量は、移動書類の交付件数・交付数量の合計による)
特定有害廃棄物等の輸出で、移動書類が交付された案件の主な品目は、鉛スクラップ(鉛蓄電池)、石炭灰、錫鉛くずなど、金属リサイクルを目的とするものでした。主な輸出先は、韓国、ベルギーとなっています(2017年の主な輸出先は、韓国、香港、ベルギー)。
一方、輸入では、移動書類が交付された案件の主な品目は、電子部品スクラップ、電池スクラップ(ニッケルカドミウム、ニッケル水素、リチウムイオン等)金属含有スラッジなどで、主な輸入元は、台湾、フィリピン、タイとなっています(2017年の主な輸入先は、台湾、タイ、香港、フィリピン)。

改めて・・バーゼル法の制定・改正から今日まで

バーゼル法の正式名称は「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」。有害廃棄物の越境移動及びその規制について国際的な枠組みを定めたバーゼル条約を履行するためにつくられた国内法で、1992年12月に制定されました(1993年12月施行)
しかし、法制定から四半世紀が経過し、非鉄金属など二次資源の国際取引の増大したことから課題点が浮上。例えば輸出では、雑品スクラップの不適正輸出や輸出先国からの不法取引通報(シップバック要請)の増加や、使用済鉛蓄電池などの輸出先での環境上不適正な取扱い事案が発生。また輸入においては、有用金属を含む廃電子基板などの国際的な資源獲得競争激化を受け、国内事業者から、競争上の不利につながる煩雑な輸入手続きを緩和すべきとの要望が挙がっていたことなどを背景に、2018年10月に改正バーゼル法が施行されました。これにより、「特定有害廃棄物」が省令に明記され規制対象物が明確になるとともに、より厳しい管理が適用され、今日に至っています。
この間、海外の廃棄物を資源として受け入れてきた中国は、2017年末の廃プラスチック輸入禁止に続き、雑品スクラップの受入れを2018年12月で全面禁止。日本では、小型家電等を含む非鉄複合物や非鉄金属の国内における適正なダスト処理への要請が高まっている状況です。
さらに、この4月末からスイスで開かれていたバーゼル条約第14回条約国会議(COP14)では、リサイクル資源として扱われてきた汚れた廃プラスチックが、新たにバーゼル条約規制対象となることが決定。2020年1月には条約改正が発行となります。

環境省:特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の施行状況(2018年)について☞ http://www.env.go.jp/press/106826.html