中国ショックから1年、廃プラスチック問題はいま

リサイクルトレンドウォッチ(73)
中国ショックから1年、廃プラスチック問題はいま
日本は2030年までに使い捨てプラ25%削減へ向け、官民の動き加速

2017年末、廃プラスチックを資源として世界から受け入れてきた中国が、「海外ゴミの輸入を厳しく禁じる」(李克強首相)と受入れストップに転じてから1年。世界に衝撃を与えた廃プラスチック問題の行方は、未だ判然としません。
これまでヨーロッパ、アメリカ、日本などから資源として中国に輸出されてきた廃プラスチックの量は年間約1000万トン。世界の工場として成長してきた中国は、国内の原材料不足を補うため、石油よりはるかに安い廃プラスチックを集め、ペレット(小さな粒)に加工して文具や衣料品などを生産してきました。
中国が1992年から2016年までの廃プラスチックの全世界輸入量の45%を占める輸入大国であったことから、この中国ショックは世界を揺るがし、廃プラスチックの貿易構造に大きな影響を与えたのです。日本でも、事業系の廃プラスチック(飲食店、コンビニ、工場などから排出されるもの)のほとんどは中国に輸出され、その量は年間およそ150万トンに及んでいました。
中国に代わる輸入先候補として注目されたのは東南アジア各国ですが、2018年現在、マレーシアとタイで運用ベースの輸入禁止、ベトナムでは運用ベースで輸入制限の措置がとられ、ラオスでも検討の動きがあるなど、廃プラスチックの輸入・利用規制は厳格化しつつあります*1。
国連環境計画(UNEP)によると、プラスチックごみの廃棄量は年々増加傾向にあり、2015年には3億トンに。このうち47%を、ペットボトルやレジ袋などの使い捨てプラスチック容器包装が占めています。プラスチック容器ごみの総廃棄量(2014年)は中国が世界1位ですが、人口1人あたりの廃棄量では、日本は世界最多のアメリカに次ぐ2位で、3位のEUを上回ります。
深刻な海洋汚染をもたらしている使い捨てプラスチックについて、UNEPは禁止や課金などの対策を各国に要請しました。世界の多くの国で進むレジ袋規制などの対策に遅れをとっていることもあり、環境省はレジ袋の有料化義務付けを含む使い捨てプラスチックの削減戦略案を打ち出し、使い捨てプラスチックの排出量を2030年までに25%減らす目標を定めました。あわせて、植物などを原料とするバイオプラスチックの国内利用量を13年度の7万トから2030年までに約200万トンに拡大、発電や廃熱利用も含め35年までにプラスチックごみを100%有効利用*2するなどを掲げています。
こうした動きに、飲料や食品メーカー、流通業界、外食業界などからも素早い対応が見られます。コーヒーチェーンのプラスチックストロー廃止や、スーパーのレジ袋有料化など、消費者の目にも明らかになり始めたプラスチック削減の動き、来年はますます加速していくことになりそうです。

*1 ASEAN各国における廃プラスチック輸入規制についてはこちら☞  https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2018/87f587bf7c717578.html

*2 一社)プラスチック循環利用協会によると、2016年の日本のプラスチックリサイクル率は84%。内訳は、マテリアルリサイクル23%、ケミカルリサイクル4%、サーマルリサイクル57%で、未利用16%。