世界の資源利用は60年までに倍増、環境に深刻な影響を及ぼす

リサイクルトレンドウォッチ(72)
世界の資源利用は60年までに倍増、環境に深刻な影響を及ぼす
OECD
「2060年までの世界物質資源アウトルック」を公表

OECD(経済協力開発機構)は22日、世界の資源循環を分析した「2060年までの世界物質資源アウトルック」(プレビュー版)を公表しました。報告書によると、世界の人口が急増して100億に達し、一人当たりの所得平均も現在のOECD諸国の水準である4万米ドルに近づくため、資源消費が増加。世界の金属や化石燃料などの原材料資源利用量は2011年の79ギガトン(ギガは10億)から2060年には167ギガトンへ、約2倍になると予測しています。
産業が製造業からサービス業に徐々にシフトし、製造業の効率が継続的に改善してGDP1単位当たりの資源消費量が減少しているにもかかわらず増加しているのが現状で、具体的な対策を立てないと大気、水質、土壌の汚染、汚濁が悪化し、気候変動にも深刻な影響を及ぼす、と警告しています。
資源消費量が最も増加するのは、特に急成長している開発途上国で消費される建築資材と金属を含む鉱物。砂、砂利、石灰石、砕石といった非金属鉱物は、今日消費される資源のギガトン単位で半分以上を占めており、他の資源と合わせると、1日に平均的な家庭が消費する資源の量は、浴槽1つ分に相当。この量は、これから2060年まで増加の一途をたどると見られています。
リサイクル業は成長しているものの、対GDP比で現在は鉱業部門の10分の1の規模にとどまっており、各国にその育成を急ぐよう促しています。
本報告書では、7種類の金属(鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、鉛、ニッケル、マンガン)と3種類の建築資材(コンクリート、砂、砂利)の地球環境への影響を分析。これらの金属と鉱物のうち、1キロ当たりの環境影響が最も大きいのが銅とニッケルで、環境への絶対的影響が最も大きいのは利用量が多い鉄鋼、コンクリートであるとしています。
化石燃料などの利用は一段と増える見通しで、それに伴って二酸化炭素(CO2)の排出も増加。新たな排出削減政策を導入しない限り、資源管理から排出される温室効果ガスの排出総量は、CO2換算で現在の28ギガトンから、2060年までに50ギガトンに達すると見られています。

OECD「2060年までの世界物質資源アウトルック」はこちら☞
http://www.oecd.org/tokyo/newsroom/raw-materials-use-to-double-by-2060-with-severe-environmental-consequences-says-oecd-japanese-version.htm