日本の暮らしは地球2.9個分

リサイクルトレンドウォッチ(70)
日本の暮らしは地球2.9個分
消費を測る環境のものさし、“エコロジカル・フットプリント”

「70億人が暮らす地球で、もし世界中の人々が日本人と同じ暮らしをしたら、地球2.9個が必要」—–人間の活動が地球環境に与える負荷の大きさを測る、“エコロジカル・フットプリント”というものさしが示した数字です。
エコロジカル・フットプリントは、人間活動が地球環境に与える「負荷」の大きさを測る指標。1991年にカナダのブリティッシュコロンビア大学の研究者が構築したもので、「人間活動が地球環境を踏みつけにした足跡」を意味しています。
「私たちの生活は地球の大地に依存している。ではその暮らしを支えるためにどれだけの大地が必要かを計算してみよう」という発想から考案されたそう。食料やエネルギーなど、単位の違うものを統一的に扱えるように、すべてを耕作可能な農地、木材を得る森林、水産資源をとる海、CO2吸収のために必要な森林など、陸や水域の面積に置き換えて合計。人間が利用した面積としてgha(グローバルヘクタール)という独自の単位であらわします。その結果、この数値は、ある特定の地域の人々が消費する資源を再生し、社会・経済活動から発生するCO2を吸収するのに必要な生態系サービスの総量を示すことになります。
世界平均のエコロジカル・フットプリントが2.9ghaであるのに対して、日本人の平均は5.0gha/人。世界の38番目で、G7のフランスや英国とほぼ同水準ですが、インドに比べると4.7倍の大きさです。
日本の生活の中で地球に負荷を与えている分野は、交通21%、食27%、住居・光熱費27%となっています。また農地、森林、牧草地、漁場などへの負荷に比べて、二酸化炭素排出の負荷が圧倒的に多く、全体の74%を占めています。
自然資源を、自然が本来もつ力の範囲内で利用するなら、持続可能な生活が成り立つはず。自然の再生スピードを超えて消費すれば、自然資本は減少に向かいます。これはいわば、銀行預金の元本を取り崩して生活しているようなもの。
1970年代以降、人間の資源に対する需要は、1年間に地球が供給できる量を超過するオーバーシュートの状態に。その結果、気候変動、漁業資源の減少、森林破壊などの今日的な環境問題が生じています。
エコロジカル・フットプリントを減らすためには、選=持続可能な方法で生産された認証品を選んで購入する、減= CO2排出量や食品ロスを削減する、新=再生可能エネルギーの創出・拡大などの新技術を応援する、などの取り組みが必要といわれます。
豊かさを分かち合いつつ、地球をパンクさせないように、地球1個分の暮らしをすること。そのために何ができるかを、生活レベルで探していきたいと思います。

日本のエコロジカル・フットプリント2017(最新版)はこちら ☞
https://www.wwf.or.jp/activities/lib/lpr/20180825_lpr_2017jpn.pdf