2040年太陽光発電パネルの大量廃棄問題にエネ庁が警鐘

リサイクルトレンドウォッチ(69)
2040年太陽光発電パネルの大量廃棄問題にエネ庁が警鐘
有害物質適正処理、リユース・リサイクルなどに課題

 

役割を終えた太陽光発電パネルが一斉に廃棄時期を迎える「2040年問題」に、資源エネルギー庁が警鐘を鳴らしています。
日本の再生可能エネルギーの主力である太陽光発電は、2012年の固定価格買取制度(FIT)導入以降、加速度的に増えてきました。発電に使用する太陽光パネルは、製品寿命が約25~30年とされており、FIT開始後に始まった太陽光発電事業は2040年頃には終了を迎えます。そこで「2040年太陽光発電設備の大量廃棄物問題」がにわかに浮上。
そもそも発電事業はいずれも長期事業ですが、太陽光発電においては「参入障壁が低いため事業主体がまちまちで、事業途中での事業主体変更も少なくない」、かつ「太陽光パネルの種類によって異なる有害物質が含まれる」、などの特殊事情があります。そこで懸念されているのが、以下の3点です。
①太陽光パネルの不適切処理—-放置・不法投棄されるのでは?
建物に設置された太陽光設備は建物の撤去時の同時廃棄が、また借地で行われる事業用太陽光発電は借地期間終了時の現状復帰が一般的なため放置の可能性は低いが、事業者の所有地で行われている事業用太陽光は実質的に事業が終了した後もコストのかかる廃棄処理を行わず、有価物だとしてパネルが放置される可能性があること。また、いずれのケースでも、廃棄費用を捻出できない場合、他の土地に不法投棄される可能性があること。
②有害物質が流出・拡散されるのでは?
太陽光のパネル種によって含まれる鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質にはそれぞれ適切な処分方法があるが、排出事業者が有害情報を把握していないなどの理由から廃棄物処理業者に正確に伝わらず、適切な処分が行われていないケースが見られること。
③最終処分場がひっ迫するのでは?
同時期に設置された太陽光パネルが一斉に大量廃棄の時期を迎えると、ピーク時には使用済み太陽光パネルの年間排出量が、産業廃棄物の最終処分量の6%におよぶという試算も。そのため、一時的に最終処分場がひっ迫する可能性もあること。
資源エネルギー庁は、それぞれの懸念に対し ①本来、廃棄費用を織り込み済みであるFIT制度の運用強化 ②太陽光発電協会策定のガイドラインに基づいた情報共有による有害物質の適正処理 ③太陽光パネルのリユース・リサイクル制度構築へ向けた包括的な実態調査  などの具体的検討を進めることで、リサイクルを含む太陽光パネルの適正処理を進める、としています。