ネット+リアルで2兆円を超えたリユース市場

リサイクルトレンドウォッチ(67)

過去1年に不要となった品の価値は7.6兆円=経産省調べ

ネット+リアルで2兆円を超えたリユース市場

「メルカリ」などフリマアプリの急成長により、“リユース”が市場としてのポテンシャルを大幅に高め、消費のあり方までをも変えつつあります。
ネットを介した個人間売買(CtoC)を後押ししているのがスマートフォンの普及と一覧性の高いフリマアプリの登場。「トイレットペーパーの芯まで(工作用に)売れた」と巷で話題になりましたが、かつてのように高額品やブランド品だけでなく、子ども服、日用雑貨などあらゆるものが売買され中古の流通を一変させました。「5千円で売れることを前提に1万円の服を購入する」といった買い物行動は、若い女性の間ではもはや当たり前とか。従来は自動車など限られた業界のものとされてきた“再販を想定したビジネスモデル”が、幅広い分野に広がっています。
中古品は長らく市場とみなされず、統計がほとんど存在しませんでしたが、こうした情勢の変化から経済産業省は昨年よりリユース市場の調査を開始しています。先ごろ発表されたその第2回目の調査結果から、トピックをいくつか・・
リユース市場の全体像は、①CtoCのネットオークション ②フリマアプリ ③BtoC-ECのネットショップ ④BtoCリアル店舗でのリユース品販売 で構成されます。
2017年のそれぞれの市場規模(カッコ内は2016年)は、①CtoCネットオークション3569億円(前年=3458億円)、②フリマアプリ4835億円(同=3052億円) ③BtoC-ECのネットショップ約2600億円(同=2300億円)と、ネット市場がいずれも前年に比べ大きく伸びています。
これに④BtoCリアル店舗でのリユース品販売=推定約1兆円を加えると、顕在化しているリユース市場は、2017年で約2兆1000億円に達しています。
ここには、CtoC以外のネットオークション(=7631億円)やBtoBでのリユース品取引、中古の自動車・バイク等の取引(約2兆円)、フリーマーケット、バザー、自治体のリユースコーナー等は含まれておらず、リユースに関する実際の市場規模はさらに大きいものと推定されます。
面白いことに、フリマアプリがネットオークションの市場を切り崩しているわけではなく、今のところそれぞれが独立した市場を形成しつつ、リユースマーケットが急速に活気づいている、と経産省は分析しています。
上記調査数字とは別に、経産省の推定では過去一年間に不用となった製品の推定価値は7兆6254億円(自動車・バイク等は含まず)にのぼるとか。家具類、ブランド品、衣類・服飾品、ベビー・子供用品、日用品、生活雑貨、書籍、音楽ソフトなど、新品購入された多様なカテゴリーの製品が、一定期間を経てリユース市場に流れ込む。そこには、“シェアリングエコノミー”という新しい社会経済の潮流がはっきりと現れていると感じます。
この流れを無視できなくなったアパレル大手メーカーが、中古衣料のスタートアップ企業を買収する動きも出ています。「割安な中古品でおためしいただき、気に入ったら新品をどうぞ!」企業サイドからそんな消費行動を促す動きが、これからは増えていきそうな気配です。