世紀の大発見! 中性子星合体による重力波の初観測

リサイクルトレンドウォッチ(61)

世紀の大発見! 中性子星合体による重力波の初観測
金・プラチナ・レアアースなど重元素が生まれた謎の解明に一歩

10月16日、世界を驚嘆させる天文学のニュースが飛び込んできました。地球から約1億3000万光年離れた高密度の「中性子星」が衝突・合体した際に放出した“重力波”を、観測することに初成功した、と米欧の国際研究グループが発表したのです。
アルベルト・アインシュタインが1916年にその存在を予言した“重力波”とは、宇宙で発生した非常に激しい出来事が原因で起こる、時空のよじれやゆがみのこと。これまでに観測された重力波はすべて2つのブラックホールが合体した際に起こったもので、この場合には観測可能な痕跡は何も残りません。
しかし、今回は米国のLIGO(ライゴ=重力波望遠鏡)とNASAのフェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡が8月17日に相次いで観測に成功。そこにはこの重力波がブラックホールではなく、死んだ星の合体によって生じたものであることを示す兆候が現れていました。彼らは直ちに世界各地の天文台に向けて、中性子星の衝突によって生じる破片をとらえ、重力波発生直後の様子を初めて観測する絶好のチャンスであることを呼びかけ。これに応じた日本の国立天文台を含む世界70機関による追加観測の結果、合体により放出された光やエックス線、ガンマ線などの観測に成功したものです。
今回、中性子星の合体が観測されたことによって、長い間議論されてきた重元素の起源も解明に一歩近づきました。重元素とは、鉄よりも重い金やプラチナなどの貴金属や、ネオジムなどのレアアースのこと。今回の爆発を赤外線で観測したところ、放出された破片には少なくとも地球1万個分の貴金属が含まれていることがわかったといいます。これは現在宇宙に存在が確認されている重金属の量に十分匹敵する数値だそうです。
1億3000万年前に死んだ二つの中性子星が衝突した後に残されたものは、太陽の約2.6倍の重さの天体だといいますが、それがブラックホールであるのか、異常に大きな中性子星であるのか、その正体は未だ解明されていないそう。
世界の天文学者を興奮のるつぼに巻き込んだ世紀の大発見。真理の解明にはまだまだ時間がかかりそうですが、夢のあるビッグニュースでした。