漁礁になった海底がれき--東日本大震災から6年

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漁礁になった海底がれき--東日本大震災から6年
三陸沖海底の生態系を海洋開発研究機構が調査

東日本大震災から6年。東北地方太平洋側は地震と巨大津波により海の中も甚大な影響を受け、沿岸から沖合にかけ無数のがれきが沈んでいます。環境省の推計では、津波で海に流れ出た震災がれきは約500万トンに達し、このうち350万トンがまだ海底に沈んでいるとされます。そうしたなか最近の海底調査で、流されたがれきが海底でさまざまな生き物を集める「漁礁」のようになり、豊かな海が戻っている様子がわかってきました。
海洋研究開発機構は、今年2月11日~27日にかけ、調査研究船と無人探査機を使って三陸沖の海底環境や海底地形、生物分布を調査しました。海底では谷底のような地形になったところにがれきが多く集まり、水深540メートルの場所では車のバンパーや漁網に、クモヒトデやウミシダなどが群がっている様子が確かめられました。
この調査は、三陸沖の巨大地震や津波による海洋生態系への影響を研究し、被災地漁業の復興へ貢献することを目指した「東北マリンサイエンス拠点形成事業」(TEAMS)の一環として定期的に行われているもの。
2012年3月に、硬いものに付着して暮らすのを好むゴカイ類などががれきに集まっているのが初めて確認されました。以後、毎年の調査で、生物が増えている様子がわかってきています。がれきに群がるクモヒトデ、ウミシダ、ゴカイなどを餌にする魚が寄ってきて、がれきがいわば「漁礁」のような役割を果たしているとみられ、高級魚として知られるキンキやウニなども確認されているそうです。
TEAMSホームページで公開されているギャラリーでは、調査・観測で撮影された、東北の海にすむさまざまな生物の選りすぐりの動画を見ることができます。
海洋研究開発機構では、三陸の海にどんな生物が種類どの程度の密度ですんでいるかを示す地図づくりも進めているとか。季節ごとの変動や餌などとの関係を解明することで、環境に配慮した適切な漁獲量の判断や、将来同様の津波被害が起きた時の復興にも役立てたい、とのねらいもあるようです。

東北マリンサイエンス拠点形成事業(TEAMS)ホームページ
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http://www.i-teams.jp/gallery/j/index.html